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取り上げていただきました

赤坂憲雄『奴隷と家畜』青土社 読んでます。
非常にスリリングで面白い。食べるをキーワードに本を読むと言っても美食エッセイを読むのではなく、タイトルにあるように食の根本に刺さる、人があんまり言及したがらない方向へと読み継いでいく。物語の森を彷徨うかのようなランダムな進行で様々な本が俎上に上がる。
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実は拙著『飼い喰い 三匹の豚と私』を取り上げてくださっていると聞き及んで取り寄せたので、ちょっと飛ばして豚に関する第五章を先に読ませていただきました。豚を扱った物語はたくさんあるので拙著はまあちょっと触れてくださってるだけでもありがたいくらいの気持ちでいたのですが。

予想をはるか彼方にぶっ飛ばして長尺で取り上げていてくださいました。しかも非常に的確に私の意図を掴み読んでいてくださっていて、こんなに嬉しいことはないと言うくらいの文章でした。

文中、三匹の豚を飼って食べた私のことを「この人」と書いているのも不穏な、ドン引きしていらっしゃる感じがよく出ていて痛快でした。ちょっと笑ってしまいました。

『飼い喰い』は、自分の本の中でも非常に思い入れが強い本です。何度も書けるような本でもないです。だけど多くの人からすれば良くも悪くも「奇書」でしかないのも事実です。そこのところ、まあ今となればある種の諦め(本来は諦めるべきではないのかもしれませんが)もついてはいるのですが、刊行当初はそうでもなかった。

当時とある書評で、名付けの境界線を探るためにあえて豚たちに名前をつけたところを「可愛さに流されて名前をつけ」と書かれました。誤読です。心底傷つき、編集者を通じて申し入れしてもらったのですがなしの礫で、大変悔しかった。頑張って書いても何かが足りなかったのでしょうか。そのように誤読され広められてしまったことは、辛かったなあ。   

そんなこともあったので、長い歳月を経てこのようにドンピシャな紹介/読まれ方をしていただいたことが、身に沁みて本当に本当に嬉しいのです。

よろしかったらぜひ読んでみてください。
そして角川文庫で今でも読めますので
『飼い喰い 三匹の豚と私』もよろしくお願いします。

by riprigandpanic | 2023-07-01 18:32 | ほんっ


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