ブラックアウトatエエ市

豚小屋の図面と見積もりを持って、
ようやく社長と専務がやってきた。居酒屋廃屋に興味津々だ。

ここまでの経緯をご説明します。
まずこの社長と二週間前に飲みながら会って、雑誌でルポを書く為に豚を飼う話から、必要な要素、広さ、立地、そして半年後には撤去しなければならなぃことまですべて説明したのでした。
「ねえちゃん、センセイなんだな、すげえなおい。わかった、おれ図面引いてみっからよ、工期とかは専務に話しとくから、あとで電話して。いや、すごいなあ。うんうん」
とご機嫌で意気投合。ぐいぐい飲んで。
で、後日専務に電話を入れたら

まったく話が通じてませんでした。

で、あわてて社長に電話をしたら、

「どなたですか」
と言われて目の前が真っ暗になりました。
すべて忘れられていました。すごいなおい。
単身赴任八年目という豚肉仲介業のIさんにこぼしたら、顔色も変えずに
「ああ、多いんだよこっちの人。飲んだ席で話しても全部忘れてんの」
と、さも当然のように言われ。だからって飲まないと本音も引き出せないし、信用もされないと。


でまた仕切り直して三人で会い、また「へえ、センセイなんだ」と二度目の賞賛を受け、「で、これなんかの研究に使うの?」と真顔で聞かれ、ようやくにして図面をひいてもらうことに。




へーええ。ここに住んでんだ。座敷か。

大家さんは売りたがってんですけど、壊さないと売れないんじゃないでしょうかね。この店。

いや、壊さなくてもよ、手入れればきれいになるっぺよ。こーこでカラオケやったらいいっぺよー。 うれしそうに空の座敷を眺める専務。

もちろん、ぜひやりましょう。落成した暁にはこの座敷でおやじてんこもり酒盛り開催しますからね。ね。さあ図面見せてくらさい。ほう。ほうほうほうほう。はい、解りました。ようやくあたしの言いたいことを反映してくださいましたね。で、お値段は。

見積書を開ける。











1,100,000円。





のえ?




いやー俺も計算しててなんでこんなにかかるっぺかと思ったんだけどよ、
基礎はちゃんと打たなきゃ風で煽られるしよー。
屋根はなあ、断熱材の入った波板にしねえとよー。






いや、無理っすよ。これ。無理。確実に無理。ないない、そんな金、どこにもないっぺよ。



出版社から引っ張れねえの?

引っ張れないよ。空前の大不況だよ。












途方にくれて三人で珈琲を啜る昼下がり。













ふーーーー。









その後すったもんだありまして二時間後







十二万円でやってもらうことに決定しました。
大家さんの許可も貰いました。




いや、もちろんいろいろ変えたんだけどね。変えたとはいえすごすぎる展開です。仕込みもなにもありません。恐いんですけど実話です。あーしはひたすら円滑に物事が進むことそれだけを願っています。面白くなればいいなんて思う余裕はないというのに。
それにしてもモロッコの砂漠にいるよりもはるかに心のメーターが吹っ切れてしまう日々。ま、向こうは向こうで狂った「センセイ」がありえないこと言ってると、思ってますけどね。ええ、狂ってんのはアタシなんです。本当は。でもおっちゃんたちもすごいよホントに。
この見積もりの話も書いてもいい?って聞いたら嬉しそうに笑っていましたよ。おいっ。



エエ市、マイラブ。
by riprigandpanic | 2009-04-24 19:45 | エエ市だより


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