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ラジオで


昨晩TBSラジオdigに呼ばれて出演してまいりました。
聞いて下さったみなさま、ありがとうございました。
生で振られるにはいろいろ難しいネタでありましたが、
あたたかなご感想をいただきまして、肝もケツの穴も小さなあたしでございますが
これからも少しは勇気をふるってこの問題について
喋る機会があったらしゃべらせていただこうと思いました。
食肉問題じゃないネタで話してくれという
ご要望があればそれにももちろん。
藤木TDCさん、外山恵理さん、そしてゲストの藤井誠二さん、
スタッフのみなさん、御世話になりました。
ありがとうございました。
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写真はスタジオの中にある、ツィッタープリンター。
タオル巻いてあるのは稼働音がうるさいためなんだそうで、本番中はもっときっちり
巻かれてました。包まれていたと言った方がいいかな。
レストランの注文とかにも使われてるプリンターなんだそうで、きっとそれを
番組ツイートをプリントするようになにかをカスタマイズしたんでしょう。
ざっくりな説明ですんません。
世の中こんなことになっとったんですか!!と一人でカルチャーショック。
nhkのお昼の番組とか、ファックスで続々となんつうのを見ていたんですがね
ファクスで感想が来るのは今とても珍しいそうで。
プリンタの横に積まれている細長い紙全部ツイートみたいです。
すごい量ですこと。瞬時にスタッフの方がチェックされてました。


モツ流行中の話題から部落差別までを一時間半くらいのあいだにわかりやすくお伝えするのは
修行が足りないため、非常にむずかしかったです。
ご一緒したゲストのノンフィクション作家の藤井誠二さんが
実にすばらしいトークをしてくださいました。
彼のようなしっかりした頭脳明晰な大人になりたかったです。
二つしか違わないちゅうのに、なんであたしはこないにアホでわからずやなのかと。

今更興味のある方にはもっと突っ込んで知りたいと
いうところもあったでしょうし、まるっきり部落差別について知らない方には一体何のことか
よくわからなかったということもあるかもしれません。

屠畜という仕事に限って、しかも日本の取材地は屠畜場差別と部落問題が直結している
関西ではなく東京ですが、
もしご興味を持っていただけたら、拙著『世界屠畜紀行』(解放出版社)を
読んでくだされば幸いです。

世界屠畜紀行

内澤 旬子 / 解放出版社



前著をまとめるにあたっては、意図的に屠畜の工程や技術的な問題と
海外との比較にスポットを当ててあります。家畜の生命を奪うことへの畏怖感、感情移入は、
ほぼゼロで書ききっています。そこまでいくと自分の収拾がつかなくなると思ったので。
子どもの時は外科医志望していたくらいなんで
もともと普通のひとよりは希薄というのもありますが
目の前で行われる職人、作業員、普通の人たちの技術に夢中になったこと、
それからやっぱり
彼らの前で恐怖感を膨らませることは失礼にあたるという潜在意識もあったと思います。
根がバックパッカーなんで、その場の空気にすぐなじんでしまうため、その場であたりまえに
行われていることにあんまりびっくりしたり拒絶したりしないんです。

とはいえ、やっぱりそこもちゃんと考えないといかん。
書かずに終われるかっちゅうくらいの意地はあります。あーしにも。
というわけで、屠畜紀行の続きを書いております。
前著で敢えてペンディングにした部分に
突っ込んでいっております。角川書店の『野性時代』にて連載しております。
たぶん単行本時に大幅書き加え直し
すると思うんで、単行本になるまで気長にお待ちください。よろしくお願いします。


番組中最後の方で話した豚を飼ってつぶして
(自家屠畜は許されてませんので屠畜場に屠畜は委託してます)
食べた話は
月刊世界で『飼い喰い』
というタイトルで連載してますのでよかったらそちらも。
こちらの方がでるのが先で来年春刊行めざしてます。

あ、番組の話とずれますが、
『身体のいいなり』という自分のこの五年の乳癌発見、全摘出、乳房再建にいたるあいだに
人生で一番体調良く、元気になってしまったという、
自分でもよくわからんこんがらがった意味不明な
身体変化(とともになぜか仕事が激増というありがたやなことも)
にまつわる話を、年内に刊行します。
ええ、いまだに他人の身体に自分の脳をまるごと移植したんじゃないか
っつうくらい身体が元気という異和感におののいてます。
一応癌キャリアなのに。
ちなみに脳は愚図でのろまで虚弱なままです。

そのため鋭意作業中です。
こちらもよろしくお願いします。
by riprigandpanic | 2010-10-21 22:45 | お知らせ

でます……

20日水曜日10.20にTBSラジオのDigに呼ばれております。
テーマは「専門店、B級グルメで需要が増加?モツについて考える」

ゲストはノンフィクションライターの藤井誠二さんと私、だそうです。

パーソナリティーは藤木TDCさんと外山恵理さん。

ラジオのスタジオに御邪魔するのははじめてです。
生放送なんだそうです。

どうかよろしく御願いします……。
by riprigandpanic | 2010-10-14 02:24 | お知らせ

ライブに

日比谷野外音楽堂に行ってきました。
ワールドビートという催し。トリのスタッフベンダビリリ目当てだったけど、他のバンドもなかなか良かったです。野音が満員。すごい盛り上がった。

ライブというと大概そのバンドが好きそうな年齢層とフアッションまで決まってるようなある種排他的ちゅうか自意識過剰気味の若めの客が集結、その場所にしんなり居合わせるいろいろ不肖にして不詳気味なあーし、みたいなのはもうとっくのとおに無理になっていたわけですが、このライブは客層の幅が広すぎて、地球を包めるくらい広かったのでした。赤子を連れてる人もいれば、おばあさんもいたし、大学生くらいの子どもたち連れてる家族もいたし、ゲイのカッブルも、車椅子に乗ってきているひとも、アフリカ系も、とにかくいろいろな人がいて、いい意味でゆるゆるであたたかく楽しかったです。


のぼせと併発して耳の調子悪化と閉所恐怖が来てから、マイクのハウリング音とか、天井が低くてせせこましい場所にすし詰めになるのがダメで、まあもともと立ちっぱに耐えられる根性もなかったこともありますが、もうライブハウスに行くのは生涯ないだろうなと思っていた訳です。のぼせは投薬をやめて完全になくなってるんですが、耳と閉所恐怖は相変わらずありまして。

じゃあなんでスペリオールスナック部で歌ってんだといえば、酔っ払うと耳が雑音にたいして鈍感になり、さらに歌ってると人の話をこまかく聞き取らなくて済むからですはい。とんでもない逆療法だったりしますはい。スナックはボックスよりは広いしな。そして場末な感じのスナックに集う人々を愛してますので。

話をもどしますと
野音というオープンスペースだから耳も大丈夫だろうと思いつつちょっとだけドキドキしながら行ったわけです。野音だってライブだって久しぶりだし。長時間立って(ときどき座りましたが)拍手して踊ってなんてさー、もう生涯できないと思ってましたからねー。すこし足が痛かったけど。いやほんとに不思議不思議(笑)。なんなんすかねこのおまけ人生。たのしーからいいんですけど。

ムヴィオラの方、ご招待いただきありがとうございました。
by riprigandpanic | 2010-10-12 22:43 | どうでもいい日常

ヘヴンズストーリー

 自分が癌に罹ったとき、人から「なにかストレスがたまるようなことがあったから癌になったのだ」と言われることがあった。なぜか元気にやってる今となっては「そうかもね」と返せるゆとりもあるのだが、当時は受け入れがたい言葉であった。ま、ささくれていたということもありますが、それだけではありません。癌に罹る原因としてストレスはありますが、ではストレスフルな生活をしている人がかならず癌に罹るかといえばそうではない。ならない人はならない。他の病気だってそう。誰でもいつ罹ってもおかしくないのに、自分が罹ってしまったその本当の理由なんてないんだと思う。究極のところは。

 すべての不幸、災難、災厄に、理由はない。ただ、襲いかかって来る。それだけ。

 どうして自分にと問うたところでどうしようもない。闇を凝視し続けるようなものだ。それに耐えられないからこそ、人は理由を求めるのかなあと思うんであるが、ストレスだろうが生活習慣だろうがなにかのせいにすべておっかぶせるのも一つの手かなとも思うのだけど、当時はなんだかそれがちょっと腹ただしかったのでした。

 
 とはいえ、本当にどこにも理由を探しようのない、なにかに被せようにもおっかぶせようもない、絶倫なる?不幸もこの世にはたくさんある。突然家族を根こそぎ殺されるという災厄に、理由を見つけることはきわめて難しい。祟りくらいしか理由が思い浮かばないくらい唐突にして耐えがたいもの。

 映画「ヘヴンズ・ストーリー」は、家族を殺された者たち、殺してしまった者たちの、群像劇である。4時間38分という、映画としてはかなり長い時間をかけて、振りかかった災厄に苦しみあがく人々を描いていく。殺人者だけでなくほとんどの登場人物がなんというか闇を抱えて常識から逸脱した行動に狩りたてられるように突き進んでいくわけなんであるが、それが奇妙にリアルにして共感すら抱いてしまうのは、それぞれの持つ闇の重みがきちんと描かれていたからなんだと思う。

 退屈する間もなく、観切ることができた。実はコメントを頼まれたのでDVDで観たのだが、やっぱりどうしても大画面で観たくて公開初日にユーロスペースにも行ってしまったのであった。なんだろう、あのどうしようもなくなすすべもない災厄に踏みにじられてる気分と、奇妙に空虚な団地とか、きれいでも汚くもない海辺とか、雪の積もる高地の廃墟などの風景が、じつによく合っていて、たまらない気分になるのだ。あれをもう一度味わいたかった。

 個人的に一番好きなシーンは村上淳と佐藤浩市の雪の廃墟での掛けあいと、山崎ハコが野外劇を観ているところか。

 監督の瀬々敬久さんとの付き合いはとくに長くも深くもないけれど、仕事の関係(ノンフィクション撮られた)で憎まれ口ばかり叩きつけ合ってきた。ていうか意地悪そうにかかかと笑ってる瀬々さんの顔しか思い出せないし。そういうインタビュー手法だったというだけの話だが、思い切りのせられてキイキイ怒って喋らなくてもいいことまで喋らされた。まあ番組は非常に面白くできてたのですごいなと思ったけど。
 そういうイメージしかなかったので、瀬々監督の本領である映画で、正面切ってごまかしなしの、信仰なき時代の救済を正面にすえたラストをみせられて、非常に動転した。ものを創るにはここまで丸裸に出しきらならにゃあかんのかと、猛省されせられました。
 
 凄い作品です。是非、映画館で観ることを謹んでお薦めします。はい。
 4時間半は決して長くありません。


http://heavens-story.com/
by riprigandpanic | 2010-10-09 06:09 | ほんっ