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でましたでます

本日の朝日新聞夕刊の人物列伝というコーナーに文筆家でイラストレーターの
能町みね子さんが出ます。

で、あたしは彼女のお友達ってことで友情出演します。
自分のことや書いたものの話をインタビューされることはありますが、
友達について話すというのははじめてで(対談ですらない)なんだか面白かったです。

あ、大きなニュースがあるとずれるそうです。

あたしが能町さんに持つシンパシーってのは、あたしと能町さんがわかればいい話なんですけどね、究極のところは。お互いなにをテーマにするにせよ、能町さんとあたしはなんていうかものの見方描き方に共通したところがあるように思えます。同じって訳じゃないんだけど。文と絵を書くということとか似てなくもないんだけど、そこじゃなくて、たぶんひとことで言えば、韜晦。してないようにみえる文章でも匂いがするんだ韜晦者の。

彼女の新刊『お家賃ですけど』についてはちゃんと書きたくてなかなか書けずにするわけですが、
そのうちちゃんと書きたいです。締め切り中にして夜中なのでまたひとことで言えば(おい)、家主である老婦人とのやりとりを中心とした日々のなかにいずれ消えていく時間への愛着が静かに込められた名品です。私小説といってもいいんじゃないのかと思います。
またちゃんと書きますので。

お家賃ですけど

能町 みね子 / 東京書籍




それから事後報告になりますが、
朝日新聞9月23日朝刊のオピニオン面で口蹄疫騒ぎを振り返ってみたいなことを
インタビューされました。そのうちウェブに転載されるようですのでよかったらどうぞ。
なかなか難しいテーマでありました。
ありがとうございました。
by riprigandpanic | 2010-09-28 03:30 | お知らせ

ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡

八月の猛暑の中の過酷労働の中、試写を見落として
どーしても気になってしまって、無理して観ました
ベンダ・ビリリ!

コンゴ、キンシャサの路上生活障害者たちが立ちあげたバンドが
フランスのプロデューサーに見いだされて、CDを録音し、ヨーロッパツアーに
行くまでのドキュメント。
この国ではポリオがまん延していて、車椅子の障害者がたくさんいる。
政治が不安定なのは周知の事実。ドキュメント映画コンゴ・リバーを見て
震えたくらいのどうしようもない絶望に満ちている国。

でもそれはホントのところ関係ないの。

一音聞いただけで、やーらーれーたーーー。
すさまじく、良いのだ。彼らの音楽が。なにもかもをふっ飛ばすくらい。
ブエナ・ビスタ。ソシアルクラブを見たときと同じ衝撃。凄味。
もー上映中ずっと涙止まんなくなっちゃった。おばちゃんだから。

またがらくた戦車みたいな車椅子がカッコイイと言ってしまっていいのか
わかんないけど、かっこいいの。ワゴン車の窓に適当に丸穴開けちゃったりとか、
ビーサンやマッチをぺちぺち地面にたたきつけてリズムとるところとか、
車椅子を降りて踊り出すところとか、
この国の人たちの生来のセンスにどうしても反応してしまう。
かっこいいんだよ。くやしいくらい。
障害者だとか路上生活者だとかそんなこと関係なく、音楽に
全身全霊でのめり込んで踊って歌う姿がとにかく凄いのだ。
あの姿にはどうしても揺さぶられてしまう。

撮影をはじめたときに、まだ子どもで、一家を養いながら
空き缶と棒をつなげて一弦楽器をつま弾いている
ロジェくんの目が、きつくて暗くて気になった。
ヨーロッパツアーが成功しても、彼はひとりで暗い顔をしていた。

しかし今日上映後のトークゲストで来たロジェくんの目は
とろけるように笑っていて、そんなふうに笑えるようになって
ほんとうに良かったと思ったのでした。


すべてのアフリカの国が音楽資源に満ちているわけではない。
ていうか、音楽はあるし踊りもあるんだけど、
欧米や日本で受けるかどうかはわからないということ。
そこが一番難しいところ。
十年前エチオピアで聞いた音楽はとても良かったのだけど、
残念だけどエチオピア人にしかうけないだろうとは思った。
帰国してCDを買ったけれど、すぐに聞かなくなった。

この差はなんなんだろうと思う。



韓国が面白い映画やドラマを作るようになったとき、すごくうれしかった。
援助ではなくて、支援でなくて、心底欲しいと思ってその国が作ったものに
お金を落とすことができると思ったから。
まあ、韓国に援助はもはや必要ないしもう追い抜かれてるけど
(もちろん解決されない問題も
まだまだあるわけですが)、
それすらも実はちょっと嬉しいくらい
八十年代の韓国の状況を眺めているのは正直しんどかった。
あの当時韓国語やった人はみんなそれで苦しんだものです。

でもそこではたと気づく。

援助でも支援でもなく、消費をしたい自分に。
消費をしながらどこかで援助した気になってる自分に。

あたしたちはどこか身勝手だ。
まあ彼らの事情を無視して
レアメタル獲りあうよりは全然マシだとはおもうけどな。

でも、いいものはいいのだ。理屈も理性もなにもかも腑抜けになる。
それがまた気持ちいいのも確かなのである。

もちろんCD買いましたとも。
サラ・モサラ(働けー)聞きながら原稿書きますはい。

イメフォの山下さん、教えてくれてありがとう!!


サラ・モサラー!!
by riprigandpanic | 2010-09-20 22:29 | ほれぼれ,岡惚れ

うっとりは薬だもん

こういうのを書くのはかなりとても恥ずかしいんですけど
やっぱりとても嬉しかったというか
びっくりしてしまったのであえて書いてしまいます。

えーと何回も書いておりますジュエリーブランドnoguchi。
地道に少しずつ買い集めております。
あーしが欲しいのはちょっと前に発表されたラインでして、
店頭には並んでないんですが、注文すると作ってくださるのです。
で、過日受け取りに行ったらば、

クロワッサンの記事を読んでどうしてもプレスが欲しくなり
購入された女性からお手紙がちょうど今日届いたと。

あの記事を読んで来て下さるお客さまは
すごく愛着や思い入れをもって買って行って下さる
方が多いんですよと
広報の方に嬉しそうに言われました。
でも雑誌ですよ。一月のコラムページですよ。ありえませんよ普通。
いくらクロワッサンが読み捨てされない力のある雑誌だとはいえ。
noguchiは他の雑誌でももちろんとりあげられているわけです。
なのになぜかいまだにあの記事を読んだというお客さんが来て下さる。

いや、ホントにごく普通の文章なんで、写真が良かったせいだと
思うんですが、今回のお手紙の話をうかがって
胸を突かれてしまいました。
うかがったお話を再構成してるんで
手紙の内容とは若干ずれてるかもしれませんが、
その女性は乳癌を患って気持ちもふさいでしまって
あまり人と話もしたくなくなって家の中にこもっていたときに
クロワッサンの記事を見て、ああ欲しいなと思ってくださったらしいのです。
そしてブレスをつけた自分の手をみて、すごく元気なきもちになったと。
外に出かけたくなったと。

あたしはそのエッセイで自分の乳癌についてまったく触れてないんですが
じつはあたしもあれは二回切除して三回目のゼンテキの間くらいに買ってんです。
こういうシンクロってあるんですかね。偶然と言うにはなんかちょっと、ね。
すごく驚きました。

綺麗なものを身に着けたかったんです。
あたしの場合は外にも出かけていたしどかどか仕事もいただけていて、
周りからみたらえれえ元気に映っていたとおもうんですが、
まあそれはそれとして、やっぱりものすごくささくれてました。
ま、乳癌になってなくてもつーかなる前から相当ささくれてるんですけれども。
そこからまたさらにささくれランクアップしてましたし。

なんというか、服とかお化粧とかアクセとか
そういうものでうっとりしたかったんです。これは嘘偽りなく。
気持ちをあげたかった。
だからってピッカピカしたものをつけたいというわけでもなくて、
そのあたりが難しいんだけど、noguchiのプレスみたとたんにこれって
思ったわけです。肌にぴったりきた色味とか繊細な細工とか、控え目なんだけど
すごい存在感があって。三カ月迷い、しかしあのうっとりが忘れ難く、
購入に至ったわけです。

広報の方のお話でなるほどと思ったのは、ジュエリーには
人の虚栄心をあおるものもあると。そうだと思う。
それが必要な人もいるし、そうやって自分をあげるひともいるでしょう。
ハイブランドのジュエリーは全部とはいいませんがそういうものが多くて
当時のあたしにはどうにも似合わないちゅうかつけたいという気にまるでならなかった。

だけどnoguchiのジュエリーはそういうのとまたちがって
すごくやさしく気持ちをあげてくれる。
色味にこだわってあえて14金にしているとか、ブラウンダイヤを使ってるとか
そういうことは伺ってはじめて知ったことで
よくわからなかったんだけど、
身につけたときのうっとり感はね
ほんとに得難いものだったのでした。
気に入った服を着るのとも踵の高い靴を履くのともまたちょっと違う、
芯から支えてくれるようなあがり方。気持ちよさ。
特に指輪とプレスはネックレスと違って自分の目に入りますから。
あたしなんて普段パソコン打つときにわざわざつけてるもん。
お出かけだからつけるんじゃないもん。

同じ病気を抱えた方が、写真を見てたぶん同じように感じてくださって
購入されて、うっとりされている。
とてもとても嬉しいです。
そう思って買った指環を嵌めた手を眺めるとうっとりが倍増します。
(ブレスはお直し中)ありがとうございました。

うっとりはきっとキラー細胞を増やします。
根拠ありませんがそんな気がしますはい。
by riprigandpanic | 2010-09-05 03:37 | ほれぼれ,岡惚れ