えー。
東京新聞、北海道新聞などの朝刊 で八月から 桐野夏生さんの小説「とめどなく囁く」連載がはじまりました。 じわじわと怖くて目が離せない展開となっております。 挿絵を担当しております。よろしくお願いします。 そして猪と鹿の処理場建設、八月九月は大変でした。 何度か高松に資材や設備を買い付けにも行きましたし。 それで一日潰れますからね。私の軽トラには冷房もないので。 おかげさまで建屋はだいたいできました。 そして工事が佳境に入った頃、山羊のカヨが三度目の出産しました。 毎日の肉体労働が多く、疲れすぎていて、記憶も飛びがちです。 しばらく読書からはなれていました。ま、健康ではあります。とにかく眠い。 いろいろ送本していただいてるのに、積みっぱなしです。 すみません。ごめんなさい。メールの返事も遅れがちです。 「タラブックス」を読んだらすこし脳が読書に戻ってきました。 というわけで 『おっぱいがほしい!-樋口毅宏 新潮社 小説家樋口毅宏さんの育児エッセイ読みました。 面白かったです。地上波にあんまりチャンネルを合わせない私でも、 樋口さんのパートナーである三輪記子さんを何度も見かけてて あーこりゃ樋口さんが嬉々として そしてへとへとになりながら子育てをしているのであろうと 思っていたら、そのまんま予想は当たりでした。 御疲れ様です。 育児ネタについてはそれなりに意識して読むようにしているので 大変さなど、驚くことはなかったです。 ただ、最近知ったんだけど、知らない人が意外と多い。 「卒乳・断乳」の話題を出したら出産育児経験のない女性たちが え、なんですかそれ?みたいな反応になり、仰天しました。 いちおう人類がどう生まれて育つのか、現代日本社会において 役場だの教育機関だの病院だのとどんな手続きをしながら どんな成長過程を歩むのか。そして育てる人間がどういう プレッシャーや困難にさらされるのか というのは、必携の知識だと思う。 でないと困難を軽減してみんなで負担する政策に反映できないし。 常にだれでも目に付くところで誰かが話していてほしいと思いますし、 男の人の育児もまだまだ珍しいのでどんどん書いてほしい。 私は子供を産みたかったと思ったことは限りなくゼロに近いし、 産まなかったことを後悔することもほとんどない人間ですが、 子どもが嫌いなわけでもないし、むしろ好き。 女の人がこどもをもっと子供を産める社会になってほしいと 心の底から思っている。 ただひとつだけ。 子育て出産にまつわる発言で 母性の正義、礼賛、そして優位を語られると げんなりしてしまう。 どちらがいいとか悪いとかいう問題ではないし、 母性が毒に転じる危険だってあるのに。 出産をしないと一人前ではないというスタンスで語られると、 埋められない溝を感じてしまう。 出産をしない女性が、一切ノータッチで出産育児のことに背を向けて知ろうとしないのも 上記の、それも結構無意識な押し付けに遭うのが嫌だからなのではないか。 そこで本書である。 その手の押し付けは、なるべくしないように配慮されている(樋口さんはそういうのに敏感なひと)。 家族愛とか苦手な人も、この本は割と大丈夫かと。人それぞれですけど。 多少?かなり偽悪的ではある(ひぐち作品の特徴。『日本のセックス』を読んでから本書を読む方がいいかもしれない) 男性の目線から育児作業が描かれるので、とてもフラットに大変さが伝わる。たぶん女性は「女だからできてあたりまえ」という気負いと葛藤がどこかにあるのかもなと思いました。ま、経験者じゃないからいろいろ読んだだけの分析だけど。 パートナーの三輪記子さんの破天候ぶりを読むと、産んだら自由を奪われるとかそういう不安を抱えているひとは たぶん救われて、自分も協力してくれパートナーを見つけて産んでみるかという気になるかもしれない。保証はしないけど。 『母および妻』という圧力から、自分をいかに守るのか。それは戦いなのだと、彼女の行動から学べるかもしれない。保証はしないけど。 三輪さんに於かれましてはさらなるめちゃくちゃな武勇伝を更新していただきたいと、個人的には思っております。 御二方、さらなるご活躍を。 発売からかなり時間たっててすんません。
by riprigandpanic
| 2017-10-10 09:31
| ほんっ
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