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生き恥さらしてなんぼっすね

カラオケでよく「アカシアの雨に打たれて」をうたいます。
死んーでしーまいーたいーと絶叫したいからです。
たいへん不評です。西田佐知子、歌うますぎるよ。
それに「死にたい」という言葉が入ってる歌って
そんなにないんですよこれが。案外。

人前で死にたいと口にするのは大変不評です。
一応大人なので相手に対して失礼にあたるのもわかっていますので
めったに言いませんけどね。

もう何年も「はーこりゃもう死んだ方がまし」
「さっさと死にたい」と思い続けて
癌になったときにはやれやれと安堵したものでした。
しかしまああれですよ。
所詮根性無しなので死にたくても
痛いのとか身体が不快なのは耐えられないわけです。
というわけで
じたばたと四度の手術を受けているうちに恐ろしいことに病気になる前よりも
元気になってしまったのでした。はっきり言って今のあーしは
完治してるかどうかもわかんないし、健康かどうかもおぼつかないんですが、
かなり元気、かもしれません。腹割れてるしな。
体重計に乗るとなんとか年齢26歳……。
癌は老化の病気なのに、なんの冗談なんでしょうか。
そうそう、こんな感じです。
http://data.tumblr.com/EQ1LIidlqb68dgp9LMQP34kG_500.gif

そんな散々な滑稽事を今『身体のいいなり』にて
書いているわけです。「一冊の本」朝日新聞出版
で連載してます。


前置きが長くなりました。
どんなにへなへなの根性無しでも、
死んでしまいたい、人生やめたい、消え失せたい
と思うそのときの気持ちに嘘偽りはありません。
だからといって自殺を実行したいかどうかはまた全然別の話なんですけど。

死ぬよりほかに (徳間文庫)

福澤徹三 / 徳間書店




七つの短編からなる『死ぬよりほかに』(単行本時『夏の改札口』改題)
を読んでいて、自分とのあまりの近似にげええと叫びそうになりました。
なにがって登場人物たちのへたれっぷりが。どぐされぶりが。
介護疲れ、痴漢容疑、いじめ、失業、
ちいさな躓きの積み重ねから人生の袋小路に迷い込み、疲れ果てて
「ああもう死んでしまおう」「ここらでもういいか」となる。
もちろん本気も本気、なんだけど、他人から見りゃどってことないこととも
言える。特攻兵の亡霊(ここんところ深夜NHK特集ばかり見てるんで)から
襟首つかまれて往復ビンタ張られても仕方ないのよ。
でも死にたいの。つーか生きつづける気力が湧かんの。
なんかもうすごくわかるんだよなあこれ。

しかし人間そう簡単に自ら命を断つことはできないのです。
へたれは特にな。死のうと決意した彼らがそのあとのあとに見る抜けた風景、
噛みしめる滑稽、苦み、そしてしょうもなく押し寄せる諦念。

いま、あーしの網膜にも似たようなもんが映っとります。ちらちらと。
口ん中に溢れております。苦い汁が。
福澤さん、消えるんすかねこれ。
とーはーあーーあああ(エクトプラズム散歩中)。

それはそうといつもご著書送っていただきありがとうございます。
送るものがなかなかでないこちらとしては大恐縮でございます。
ちゃんと買ってますので送っていただかなくても大丈夫ですよ。
またいつか呑みましょう。
次こそは泥酔して狼藉を働かないことをここに誓わせていただきます……(小声)。

ついでにこちらも
これから読みます。こっちは楽しそうです。あ、写真が来てない。装丁おもしろいのに。

Iターン

福澤 徹三 / 文藝春秋






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by riprigandpanic | 2010-08-11 21:49 | ほんっ


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