母よ/帰宅ぶるうす

鎌倉に帰宅

例によって山盛りの刺身を食べさせられる。

食後母が長らく
マングースはハブの餌だと信じていて
先年沖縄にてマングースショーを見たとき、
ハブをやっつけるマングースに
「あああーーっ、どうしよう、逆になっちゃった!!」
とひとり取り乱したのだという話を聞く。

母、それじゃただの残酷ショーじゃないっすか。
マングースバスターズもいらないっての。


母は以前
「淳子がかわいがった豚を淳子に食べてもらいたくない」などというメールを父経由でよこし、
豚を食べる会の準備でくるっくるになっていたあーしをちりっちりの黒焦げにしたんですが
もちろん自分も「いちど豚の顔を見ちゃったからとてもかわいそうで食べられない
ということで、生肉も要らない。だいいち一キロなんてかたまり年寄り二人には多すぎるから
絶対に肉を買ってくるな
とまで父に厳命していた。んが、父は反対を押し切って肉を買って帰ったらしい。


しばらくして母から電話。
「ねえ、あの肉ものすごくおいしかったのよ。つやさんの肉よりも全然おいしいの!! もっとないの??」
(注:つやさんとは、よくわからないが母がひいきにしているうちからちょこっと遠い肉屋らしい。よくここで肉を買ってはヒレかつを作って下さります。)

あーしのエクトプラズムがえろっと口から出ていきそうになりましたが、ここはぐっとおさえて


「は? かわいそうだから食べたくないんじゃなかったの??」




そしたら母はこうのたまった。

「だからー、ちゃんと感謝して食べたんもん、いいでしょ?」

……ん、のおおおおおおおお。言語にならない記号とともにエクトプラズム、勢いよく離脱。
一晩還ってきてくれませんでしたとさ……。



そして今宵またあの肉はないのかと聞かれましたよ……。
母よ……。


さらに
『世界屠畜紀行』を渡したときに
「もう眼が悪くなって本は読めないのよ……ごめんね」
などとしおらしくのたまっていたのに、
今日はニコニコと不毛地帯と沈まぬ太陽を読破したと得意気に語ってます。

す、ごいねえ。いつ眼が良くなったんでしょうか。


ええまあ、そんなもんです。そりゃ山崎豊子は面白いっすよ。ええ。わかってます。いいんですよ、読まなくたって。別に。どうせね、あーしの本読むより生前かわいがった豚の肉食わせた方がよっぽど納得できるみたいですし……
ああ、
あーしのエクトプラズムがあーしの黒眼を連れて、
夜の六国見山を浮遊してます……。原稿かかなきゃいげないのに……。
by riprigandpanic | 2010-01-02 23:15 | 黒の紳士(淑女)録


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