鉛色の日々

刊行されてすぐに送ってくださったのに
引っ越し間もない仕事場の本の海の中で遭難してました。
すまん。

『放っておいても明日は来る 就職しないで生きる9つの方法』
高野秀行 本の雑誌社

これ読み始めたら滅法おもしろいんで、
ダメもとですが、本の紹介文書かせていただける媒体ありましたらぜひ。
よろしくお願いします。

あーしの就職活動は今でも思い出すと胃が痛くなるくらいうまくいきませんでした。

バブル末期に大学四年だった世代でございまして、
周りの知り合い友人には内定をガンガンとってる者もいるかと思うと、
企業に就職なんてハナっから考えてないよ、バイトしながら面白いことやるよと言いきる者もいました。
みんなわけもなく強気だったかもしれません。
んが
あーしは一人で実は弱気でした。くやしいから隠していたけれど、みんなすごいなーと思っていた。
たぶん今の学生さんよりも弱気でした。自分が社会適合性がゼロというよりはマイナスであることがうっすらわかりながらも振り切るように、なにかどこか喰わせてくれるところにしがみつこうと必死でした。怯えていました。

あの時のあーしにこの本を読ませたら
平凡を目指す自分には到底マネできないと、はねつけたであろうことは確かでしょうが
(意外におもわれるかもしれませんがそうなんです)、
それでも読んでいる間だけでも、しばし痛い現実を忘れて
ああ、こんないいかげんでも生きていけるのかなあと、楽になれたし
あわててなにかにしがみつくような馬鹿もやらなかったかもとも思うのでした。


しかも。しがみつくように就職した先が、単にひどいところでってんなら、まだよくあるお話なんでしょうけれど、酷いとかそういうのを飛び越してもはやホラー?ていうところでした。

特殊だったなあ。
世間から隔絶した精神の奴隷船みたいなところだった。手取り十二万円ボーナスなし。しかしなにより今の言葉でいえばパワーハラスメントみたいなのがすさまじかった。詳しくは書けないけど雇用主が病気だったこともあり、記憶障害がでていて自分の出した命令自体を覚えていられなかった。で、意向をくるくる変えるんだけど元からそうだったのだと記憶のすり替えが起きる。で、違う違うなにやってんのとヒステリーを起してどなりちらされる毎日。シュールだったなあ。普通の会社なら首のすげ替えがおこなわれるところでしょうけど、家族経営なもんで。
最悪のスカを引いたと思います。人間あわてるといいことありません。

あまりにも過酷な圧政に打ちひしがれたある日従業員四人、あーしをのぞいてみんな五十代だったはず。ある日ひっそり仕事のあとに居酒屋であつまった。それでももう自分はもう歳だしほかに雇ってもらえる会社がないんだと、悄然としたおじさんが涙を浮かべてケセラセラを口ずさんで、もう一人の女性もしんみりと唱和したときのことは、忘れようにも忘れられない。鳥肌が立った。大の大人の男性が泣くところを見たことがなかったから。バブル真っ盛りの時代だったんですが。

丸腰で蜂の巣に撃たれてから何を武装しなけりゃいけないのかに気づかされたようなもんでした。

それでも半年でこの団体からなんとか抜け出せたわけですが、あーしの口の中に邪鬼が棲むようになったのは、それ以来のことであります。指先に棲んでキーボードを殴るようになったのは、癌になってからだけど(笑)。

学生の時はもっとふわふわぼんやりしてましたよ。いやマジで。


というわけでだれか紹介書かせてください。

杉江さん、高野さん!
遅ればせながらポップも書くね!!
しゅーかつ学生にがつんときそうなのを。
で、増刷決めて酒奢ってくれ☆

放っておいても明日は来る― 就職しないで生きる9つの方法

高野 秀行 / 本の雑誌社


by riprigandpanic | 2009-12-08 01:22 | ほんっ


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