捨てて捨てて捨てて捨てるそしてまた捨てる

仕事場から歩いて行ける利点をどうしても逃したくなくて、しかも借金作りたくなくて、でもこれ以上家賃も払いたくなくて、

まるでガマの油みたいな状況で二年前に選んだ千駄木のワンルームより狭い古マンション。

エエ市から戻ってくれば、やはり狭い。いやしょうがないんだけど。エエ市の化け物屋敷は、夜中に歌声が聞こえたり、駒下駄で誰かが歩きまわる音がしたり、真夏でも寒くて、なんでもすぐにカビがはえて、洗った割りばしすらすぐにカビが生えるから捨てるしかなくて、汚水のにおいが台所の土間に上がってきて、さらにハエと蚊とゴキブリと手のひらくらいの蜘蛛が大量にいたけれど、

広かったのだ。

あうううううう。

くさくさしたら五分で海に行けたのだ。
えうううううううう。


もともとは病気の投薬副作用発作から始まった閉所恐怖症。いまや薬は切れてんですが、どうにもこうにも積みあがった本が我慢できない。ぐちゃぐちゃ毎日たまるチラシや紙くずが我慢できない。紙くずに付着するほこりが我慢できない。

発作です。


というわけで千葉から持ち帰った服と本と靴と生活道具をならしつつとにかくかたずけまくる日々。ようするに捨てています。捨てていてしみじみ痛感したのは、二人で三十平米という空間で生きるには過去二年以下の思い出や過去を持つくらいが限度だなと。五年持ちたかったら五十平米はないと。無理ですわ。

しかも留守を「護っていた」だれかが本を積み上げるだけではなくて、本の隙間のほこりや水回りの垢やらカピやらを貯め放題。床、埃だらけ。で、喘息の発作を起こしている。だからそれはあんたが半年ためたダストだから!!ふざけんな!!床拭け!!
あーしが苦労して全部取り去った便器の裏側の黒ずみを復活させやがって。
ま、それでも悪者はあーしなんだろうけれど。クサンチッペ上等!!

二年前に無計画に持っていた骨董家具をかなり処分したのですが、鏡台だけ残していた。一度しか会ったことのない、知り合いのお母さまが使っていらした鏡台。しかも鏡はもうとれていてないの。どうしても捨てられなくて、持ち歩いていた。しかしこれももはや捨てる時が来ましたね。知り合いも知り合いのお母様も亡くなってからもう十年以上経った。すいません、お別れさせてください。あーあ。ようするに住空間ギリギリに棚や机をつくらないと、空間を余らす余裕がないのです。骨董家具は、ぴったり住空間に収まることはないのです。広々したところにポツンと置くならいいんですけどね。ああ。機能重視で生きる味気なさよ。

さすがに服を買う気が失せましたよ。今期は。そのかわり直しを五着もだしましたよ。だってスカートは丈が命だし。いいかんじに表面があれてしまった革ジャケットがどうしても捨てられなくて。93年くらいに買ったやつだよ。ずっと寝かしていましたよ。新しいの買えるくらい直し代金がかかりますが、この風合いがいまも好きなのだから仕方ないのです。ですので今年はジャケット買いません。それと案外巻物がたまってたね。参りましたよ。捨てたくなくて。ああ、服はあーしの唯一の趣味です。
長年我慢していた趣味ですから、趣味。趣味だけど、趣味だから、クローゼットはとっても小さいです。
くうねるの連載で以前にお世話になった阿部先生のお宅を訪ねたときに、壁一面のクローゼットを見せていただいて、溜息だったなあ。あ、もちろんものすごい機能的だったけど。でもそれにしてもあーしからすりゃでかくてうらやましかったですわ。

でもさ、これからまた必死に節約して仕事してお金を削り出してもう少し広いマンションに移ったとしても、日本が社会主義になろうが、地価があり得ないくらい下がろうが、なにがどうすっころんでも、五十平米以上のマンションが手に入るとは思えないので、せいぜい五年でまたチラシとゴミと本と洋服と、つまんない小道具でパンパンになって、ヒステリー起こして毎日捨てまくる日々が来るんだよね。
モテル量、それほど劇的には変わらない。

だからもういいんですよ。ここで、旅人のように暮らせば。
ほんとに留学生に毛が生えたくらいの物しか持てないなあ。
あじけなくてたよりないけれど、捨てて床が見えるようになればなるほど、すっきりサバサバして身体が軽くなるのも確かなのです。ああこの感覚、昔昔、ベルリンでリュックが三日くらい来なくて、小さな手荷物に免税店で買ったマルボロワンカートンをぶら下げて空港を往復していた時の、ふわふわした感覚に、ちょっと似てる。

悪くないです。たぶん。






あとは田舎にひっこむしかないねえ。




海辺を所望。


しかしまだ仕事場のかたずけにはほとんど着手できていません。のおーーーー。
by riprigandpanic | 2009-10-25 19:46 | どうでもいい日常


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