兄よ

何年ぶりかに会った兄がおせち料理を食べながら我々妹夫婦に話してくれたこと。

その壱

関わった物件(兄は不動産業)、鼠害が酷いので、業者に頼んだところ、
一メートル四方のシートのようなものを持ってきた。
「要は大判のゴキブリホイホイみたいなんだよな。それをじゃらっと敷き詰めて、餌まいて。そしたら翌日、鼠がたっくさんかかってちゅーちゅー言ってるんだよ。やっぱりほ乳類だから、なんとも悲しい目でこっちをみたりするんだこれが」
「で、それどうやって処理すんの?」
「や、業者さんが顔色一つ変えずにはいって鼠が張り付いたままのシートをくるっくるっと丸めて持ち帰ってったよ。あのまま捨てるのかなあ。すごいなー業者さんは。はっはっは」


兄は私の著書一冊も読んでませんし、基本的に興味ないので出たテレビ番組ももちろん見てません。一生見ないでしょう。助かります。(そうか、うちの家族の薄ーい反応に慣れてんで、ヒトから熱いリアクションをされると戸惑っちまうんだ!! ようやく納得)。変な所に行って変なものを食べてなにか書いてて、最近なぜか羽振りがいい、くらいの認識しかありません。本当です。そのうちナゾの病気(てーかスクレイピーね)になるだろうと半分本気で思っているようです。余計なお世話だ。だいいち羊の頭は普通の食事だ!!ゲテなんかじゃないぞ!!

帰り道の電車で「なんであんたの家族はあんなにしょっぱい話が好きなのっ?」と吐き捨てるようにモクローがつぶやく。ホントにねえ。私も不思議ですが、つい嬉々として聴いてしまうもので。似た者家族だと思うんですが、家族の中で私はものすごい変わり者ということになっています。不本意ながら。

よく考えたら翌日までひっぱる話でもないので二つ目いきます。

「あとはあれだなー。思い出に残ってるのは、別荘地の管理やってたときな。管理棟の横にでっかい調整池があってな。そのときは水張ってなかったんだ。そこにハクビシンと野犬二匹が落ちたんだ。で、一晩中かけて殺し合い。あーれは、すごい鳴き声だったぞー」
翌朝までには野犬一頭が勝ち残り、二頭の死体。
「それお兄ちゃんがかたずけたの?」
「いや、掃除とか別荘地全体の整備をやってくれてる人が、これまた無表情ににさっさと」
「勝ち残った野犬は?」
「保健所だわなそりゃ」

兄は立派な会社員で、取引先のゼネコンの人とゴルフだのボーリングだの接待だのそういうのちゃんとやってるらしいんです。でも会うたびに首つり死体見つけた話とか、ロクな話をしてくれません。たまにしか会えないっちゅうのに。ホントにナゾの多い45歳独身。また彼女(彼氏でも可)いるかどうか訊きそびれた。次に会う時は48歳独身?
by riprigandpanic | 2009-01-04 00:05 | どうでもいい日常


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